聞きかじり、丸かじり雑学 |
私と二度めに出会う水 |
聞きかじり: 「コップ一杯の水の中で、私と2度目に出会う水はどれくらいあるの?」計算してみた人がいます。 水の分子レベルで計算すると、一杯のコップの水には超大な数の水の分子が含まれている。 飲んだ水が汗となって蒸発したり、小便となって下水処理場経由で川へ流れ、川や海から蒸発した水が雨となって川の上流部へ落ちて、浄水場で取水される。 コップ一杯の中の超大な数の水の分子が飛散して雲となり、雨となり、運のいい分子は速くて3日でふたたび自分のコップの中で再会できるという。 |
丸かじり: 「聞きかじり」に載せたことを、自分なりに検証してみた。 まず、コップ一杯の水がまんべんなく世界中へ飛散したらどうなるか、考えてみよう。 コップ一杯の中に水の分子がいくつあるか? 水の分子のアボガドロ数(6×10の23乗個)は液体で18ミリリットルに相当すると知られている。 これは理科年表なんかに出ている(理科の教科書にも出ているんじゃないかな)。 だから、コップ一杯の水(180ミリリットル)中には 6×10の23乗 × 180/18= 6 × 10の24乗 の分子がある(ピンとこないですね) 地球にはおよそ14億Km3の水があると言われてるので、コップ一杯の水の分子がまんべんなく世界中へ飛散した後にもう一度コップ一杯の水をくむと、 6×10の24乗 × 0.18リットル ÷ (14×10の20乗リットル) = 771 771個の水の分子が、再会した分子ということになる。 多くの水はその地域(例えばアジア地域、日本近海、石川県沿岸)で循環するだろうから、もっと大きい数になるはず。 私たちの体の大部分は水。 輪廻転生という言葉があるが、私たちの体を分子レベルで見れば、死んだ生物たちの分子が集まって再構成されている。 そこにはもちろん、かつて祖先の体を構成していた分子も含まれていることになる。 生物学的には意味のない計算には違いないけど、化学的にはこうなるんだ。 |
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実現する現代の錬金術 |
聞きかじり: 銅のような金属だけが電気を流すという常識が破れ,プラスチックでも電気を流すことができるという大発見がありました。 この発見により,白川博士がノーベル化学賞を受賞されたことは記憶に新しいと思います。 いま最もしのぎを削っている研究に、常温超伝導の研究がある。 超伝導は今のところ非常に低温(マイナス 200 度程度)の条件でしか実現しないということですが、これが常温で実現すれば、いろんな応用により人類が恩恵を受けます。
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丸かじり: 科学の発展は人類にいろんな恩恵を与えてきたが、必ずしも良い面ばかりではなかった。 イギリスで産業革命が起こって以来、科学の発展は産業の発展と結びついて生活環境、自然環境に激変を与えてきた。 その結果がオゾンホールによる紫外線の脅威、酸性雨、地球温暖化、大量さつりく兵器、自然破壊、種の絶滅など、人類にとって破滅の危険性をもたらしてきた。 それに加えて人口の爆発的増加がある。 振り返ってみると、人類は自分たちの生息環境のことを顧みず、利益や便利さを追求してきた。 救いは、ようやくそれらの危険性を人類が自覚し始めたこと。 人類にとって利益、便利さ、環境、どれが最優先か?もう選択の余地はなくなってきている。 環境問題が大きなビジネスにすらなってきている今、新しい科学が、さまざまな脅威を取り除くのに役だってほしいものですね。 |